グループホームにおける世話人・生活支援員とは?

調理の介助をするヘルパー

共同生活援助(以下、グループホーム)の事業所としてサービスを提供するためには、適切なスタッフを配置することが必要です。

そのうち利用者に対して直接お世話をする役割を担うのが生活支援員と世話人です。

今回は生活支援員及び世話人につき詳しく解説したいと思います。
 
グループホームの人員基準や設備基準について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
 

生活支援員・世話人の仕事内容

まずはそれぞれの仕事内容を確認しましょう。
結論から申し上げると、両者の違いは利用者に介助を行うか行わないかでです。

生活支援員 ・・・ 介助を行なう

世話人 ・・・・・ 介助を行わない

それを踏まえて具体的な仕事内容は次の通りです。

生活支援員の仕事内容

一般的な生活支援員の主な仕事内容は次の通りです。
  • 食事介助
  • 入浴、着替えの介助
  • 服薬、受診管理
  • 利用者の様子や支援内容の記録
  • 日常生活上の相談を受ける

 

世話人の仕事内容

一般的な世話人の主な仕事内容は次のとおりです。
調理をする人
  • 掃除や洗濯、食事作りなどの家事支援
  • 利用者の様子や支援内容の記録
  • 日常生活上の相談を受ける
 
 
 

生活支援員・世話人なるのに必要な資格は?

 障害者総合支援法では、 世話人・生活支援員に対して次のような人であることを求めています。  

 障害者の福祉の増進に熱意があり、障害者の日常生活を適切に支援する能力を有する者でなければならない。  

 その他、資格は特に要件とされていません。 つまり生活支援員、世話人ともに無資格でOKです。

 また実務経験も問われませんので、未経験者であっても職務に就けます

基準を満たすために必要な人数は?

生活支援員、世話人の仕事内容と資格要件は確認出来ました。

ではグループホームを開設するための指定基準として、生活支援員と世話人は何人配置すれば条件を満たすのでしょうか。
それぞれの適切な配置人数の決まり方を確認しましょう。

生活支援員の配置人数の決め方

生活支援員の場合は、利用者の障害支援区分によって必要な人数が異なります。

  • 障害支援区分3の利用者の人数 ÷  9  以上
  • 障害支援区分4の利用者の人数 ÷  6  以上
  • 障害支援区分5の利用者の人数 ÷  4  以上
  • 障害支援区分6の利用者の人数 ÷  2.5  以上

例えば【介護包括型】のグループホームで以下のようなケースの場合

  • 障害支援区分3の利用者が2人
  • 障害支援区分4の利用者が4人
  • 障害支援区分5の利用者が2人

 【計算式】 2 ÷ 9 + 4 ÷ 6 + 2 ÷ 4 = 0.2 + 0.6 + 0.5 =1.3  
 常勤換算で1.3人以上の生活支援員が必要ということになります。
 

常勤換算の考え方が分からない!という方は下記の記事をご覧ください。

障害福祉サービス「常勤換算」を分かりやすく解説

世話人の配置人数の決め方

世話人の場合は、グループホームのタイプにより必要な人数が異なります。

  • 介護包括型・外部サービス利用型 ⇒ 6 : 1 以上   
    = 利用者5名に対して世話人を1名配置必要    
  • 日中サービス支援型 ⇒ 5 : 1以上   
    = 利用者5名に対して世話人を1名配置必要    

例えば、【介護包括型】のグループホームで利用者が6名以上10名以下の場合は世話人2名の配置が必要です。

生活支援員、世話人を配置する際の注意点

  • 世話人・生活支援員どちらも非常勤でもOKですが、必ずどちらかは常勤でなければならない
  • 外部サービス支援型では介護(介助)サービスを外部に委託するため、生活支援員を配置しなくても問題ありません
  • 生活支援員及び世話人は支障のない範囲で管理者が兼務することは可能

まとめ

生活支援員、世話人についてまとめました。

ここで書いた人員基準は最低基準です。また指定後も基準を満たし続ける必要があります。

利用者にも直接密に関わる重要な役割ですので、必ず必要な人数を把握しておきましょう。