令和6年度の補正予算により、新たに介護・障害福祉事業者向けに補助金事業が実施されることになりました。
それは、「介護人材確保・職場環境等改善事業補助金(※)」です。(以下、新補助金と表記します)
(※障害福祉事業者向けの本補助金名称は「障害福祉人材確保・職場環境等改善事業補助金」です。)
この新補助金は、処遇改善加算に上乗せで貰うことができ、かつ使いみちも人件費だけでなく
職場環境を改善する様々な取り組みのための研修等の経費などにも使用することができるようです。
今回はこの新補助金について、令和7年2月時点の最新情報を解説します。
新補助金の目的
介護の現場において、生産性向上や業務効率化、職場環境の改善を行うことによって
介護職員の確保・定着、そしてサービスの質の向上を図ることを目的としています。
なお、令和6年度補正予算として806億円が計上されています。
対象事業所
次の3つにすべて当てはまる事業所が対象です。
それぞれ確認しましょう。
① 介護職員等処遇改善加算(Ⅰ~Ⅳ)を取得している
原則、令和6年12月の時点で処遇改善加算(Ⅰ~Ⅳ)を取得している必要があります。
ただし、これにあてはまらない場合でも
令和7年4月15日(※)までに令和7年度の処遇改善計画書や体制届を提出していれば、新補助金をもらうことが可能です。
※締切は自治体によって異なる場合があります
なお、令和7年4月以降に開設する新規事業所は対象となりません。
(参考:介護保険最新情報vol.1357(「介護人材確保・職場環境等改善事業に関するQ&A(第1版)」問18))
② 生産性向上に向けた取り組みを行っているor取り組み予定
詳細は後述します。
③ 対象の介護保険サービスを行っている
対象・対象外の介護保険サービスの一覧は下記のとおりです。
【介護保険】
介護保険最新情報Vol.1352(令和7年2月7日厚生労働省老健局長通知)より引用
【障害福祉】
厚生労働省資料|処遇改善加算等について(R7.1.30)) より引用
生産性向上に向けた取り組みとは?
具体的には、以下のうちどれか1つ以上の取り組みをすでに行っているか、
行う予定(計画している)であることが要件となっています。
処遇改善加算の職場環境改善等要件の中で「生産性向上のための業務改善の取組」にも上記のような取り組みが挙げられていますので、すでに行っている事業者の方も多いかもしれません。
補助額は?
原則として、令和6年12月のサービス提供分が基準となります。
ただし、令和6年12月のサービス提供分が他の月と比べてすごく少ないといった理由がある場合は、
基準月を令和7年1月・2月・3月の中から事業者が選ぶことが可能です。
サービスごとの交付率は、上述の「対象サービス一覧」をご参照ください。
補助対象となる経費
補助対象となる経費(=補助金の使いみち)は大きく次の2つです。
それぞれ具体例を確認しましょう。
① 職場環境改善経費
現状想定されているのは主に次の2つです。
・介護助手等を募集するための費用
あくまでも介護助手や介護補助者、介護サポーターなど、介護職員を補助する職員の募集であることが想定されているため、一般の介護職員の募集費用には使えないとされています。
(参考:介護保険最新情報vol.1357(「介護人材確保・職場環境等改善事業に関するQ&A(第1版)」問10))
・職場環境改善のための研修費用など
例えば、処遇改善加算の職場環境等要件を更に実施するための費用などへの使用も可能なようです。
ただし、介護テクノロジー導入・協働化等支援事業の対象経費には充てることができません。この補助金を検討されている方はご注意ください。
② 人件費
処遇改善加算と同じように、介護職員等の賃金改善に使うことができます。
なお、介護職員の賃金改善が基本ですが、対象事業所で雇用されている介護職員以外の職種(事務員等)にも配分することが可能です。
また、新補助金は一時的な手当や賞与などに使用することが想定されています。(退職手当は除く)
そのため必ずしもベースアップに使用することは求められておらず、
継続的な補助金ではない可能性もあることから、むしろ一時金として支給するほうがベターかもしれません。
補助金を取得する場合の特例
新補助金を取得する場合、令和7年度中は特例として
処遇改善加算の「職場環境等要件」の適用が猶予されます。
本来、令和7年度からはこれまでよりも多く職場環境等要件の取り組みをしなければならないところ
この新補助金を取ることで、令和8年3月末までは取り組みを増やす必要が無くなるということです。
さいごに
これまで弊社でも、「処遇改善加算は研修の経費などに使えないの?」といった質問をいただくことも多かったのですが、
今回の新補助金で対象経費が広がり、これまで使用できなかった経費にもあてることができるようになっています。
ぜひ同じようなお悩みをもっていた事業者の方には新補助金をご活用いただければと思います。