令和7年度 介護職員処遇改善加算の変更点を徹底解説!

はじめに

 

処遇改善加算は毎年度のように見直しが行われていますが、令和7年度も重要な変更が予定されています。

来年度も制度改正への適切な対応が求められるため、事業者の皆様にとって最新情報の把握が欠かせません。

 

令和7年度からの変更点は、主に次の3つです。

 

① 月額賃金改善要件(Ⅰ)の適用スタート

② キャリアパス要件(Ⅰ)~(Ⅲ)猶予の延長

③ 職場環境等要件の変更

 

以下では、これらの変更点について詳しく解説します。

改正内容をしっかり理解し、スムーズに対応を進めるための参考になれば幸いです。

 

月額賃金改善要件(Ⅰ)の適用スタート

いわゆるベースアップ要件のルールが明確化されます。

具体的には、処遇改善加算(Ⅳ)相当の加算額の2分の1以上をベースアップにあてる必要があります。

※ベースアップとは、ここでは基本給や、毎月固定で支給する手当の金額を引き上げることを指します。

 

「うちは処遇改善加算(Ⅰ)を取っているけど、(Ⅳ)相当ってどういうこと・・・?」

と思われた事業者の方もいらっしゃるかもしれませんが、

処遇改善加算(Ⅰ)を取っていようと、(Ⅱ)・(Ⅲ)・(Ⅳ)を取っていようと、ベースアップにあてるべき金額は以下のように計算するということです。

例えば訪問介護の場合、処遇改善加算(Ⅳ)の加算率は14.5%です。

毎月の介護報酬(処遇改善加算を除く)が100万だとすると、

100万円✕14.5%✕12ヶ月÷2=87万円以上(年間)をベースアップにあてる必要があります。

 

もしこの事業所が処遇改善加算(Ⅱ)を取っている場合は

100万円✕22.4%✕12ヶ月=268万円が処遇改善加算の総額(年間)です。

この268万円のうち、87万円以上はベースアップ、残りの181万円以上は賞与などの一時金や社会保険料等の会社負担増加分にあてると要件を満たすということになります。

 

 

キャリアパス要件(Ⅰ)~(Ⅲ)猶予の延長

 

令和6年度に引き続き、キャリアパス要件(Ⅰ)~(Ⅲ)については

令和8年3月31日までに書面で整えれば良いことになりました。

※書面で整えた上で、職員への周知も必要

 

この猶予を適用したい場合は、処遇改善計画書を自治体へ提出する際に「令和7年度中に満たす」を選択すればOKです。

 

なお、キャリアパス要件(Ⅰ)~(Ⅲ)の内容は以下のとおりです。

 

・キャリアパス要件(Ⅰ)

介護職員について、職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件を決め、それらに応じた賃金体系を整備する。

いわゆる「キャリアパス表」と「賃金体系表」の作成。

 

・キャリアパス要件(Ⅱ)

介護職員の資質向上の目標や、以下のどちらかに関する具体的な計画をたてる。

また、その計画を実行するため研修の実施、または研修の機会を確保する。

 

① 事業所主体で開催する研修機会の提供、または技術指導等の実施、介護職員の能力評価

② 介護職員が資格を取得するための支援(勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助など)

 

・キャリアパス要件(Ⅲ)

介護職員が昇給する仕組みを整える。(次の3つのうちどれか1つ以上でOK)

 

① 経験に応じて昇給する仕組み
② 資格等に応じて昇給する仕組み
③ 一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み

 

 

職場環境等要件の変更

 

職場環境等要件とは、職員にとって働きやすい職場環境にするため、以下の様々な取り組みの中から事業所が選んで実施しなさいという要件です。

 

 

この要件に関して、令和6年度からの変更点をまとめました。

※情報公表システム上の「事業所の特色」という項目に記載して公表することが想定されています。

なお、情報公表システムでの報告対象ではない事業所については、ホームページなどに掲載し外部から見えるようにする。

 

 

ただし、令和7年度においては以下のような特例があります。

 

特例① 令和8年3月31日までに取り組むことを「誓約」すれば、令和7年度の初めから要件を満たしているとみなす

※令和8年3月31日までに取り組みを行い、実績報告書で要件を満たした旨の報告が必要

 

特例② 介護(障害福祉)人材確保・職場環境等補助金の申請を行う場合、令和8年3月31日まではこの要件の適用は猶予される

 

※介護(障害福祉)人材確保・職場環境等補助金については、こちらの記事で詳しく解説しています

 

特例③ 生産性向上推進体制加算(※)を算定している場合には、「生産性向上のための取組」の要件を満たしているとみなす(介護保険)

※短期入所生活介護や認知症対応型共同生活介護などで令和6年度から新しくできた加算です

 

特例④ 小規模事業者は、上記表のうち㉔の取組を実施していれば、「生産性向上のための取組」の要件を満たしているとみなす

 

 

 

処遇改善計画書の提出期限・提出先は?

 

令和7年度についても、例年と同じく多くの自治体で4月15日が提出期限となりそうです。(4月or5月から適用の場合)

提出先も原則として指定権者になります。

ただし、自治体により取り扱いが異なる場合があるため

必ず提出先の自治体からの案内やホームページを確認して手続きをお願いします。

また計画書の様式も、基本的には厚労省のページではなく、自治体のホームページ等からダウンロードしたもので作成・提出を推奨します。

 

さいごに

令和7年度からの処遇改善加算の主な変更点について解説しました。

各事業所においては、これらの改正内容を踏まえ、早めの準備と対応を進めていただくことが重要です。

適切な対応を行い、職員の処遇改善とサービスの質の向上を図り、利用者の皆様により良い支援を提供していきましょう。

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