【4月15日〆切!】福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金の計画作成につき簡単解説【障害福祉】


今回は福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金の計画書の書き方についてざっくり解説したいと思います。

と、その前に。
賃上げ開始の報告はお済みですか?
2月末または3月末までに都道府県に報告をしていない場合は原則、交付金の支給が受けられませんのでご注意下さい。

それでは本題に入りましょう!

計画書を作成する前の注意点

計画書を作成するにあたって、次の注意点をご確認下さい。

計画書提出の〆切は4月15日(金) 
 ⇒ここは超重要です!必ず間に合うように計画書を作成・提出しましょう。

計画書の様式や提出方法は、必ず都道府県のホームページをご確認下さい
 ⇒各都道府県のホームページで順次計画書の様式や提出方法が発表されています。都道府県ごとに違いがあるので、申請先のホームページを確認しましょう。

◆その他
介護と障害福祉で混同してしまいがちですが、
 
● 介護   → 介護職員処遇改善支援補助金
障害福祉 → 福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金

と、名前がそもそも違うので、検索する際にはご注意下さい。なお、今回私が説明するのは障害福祉のほうです
注意点は以上です。

計画書作成のための事前準備


それではまず、計画書作成にあたり事前準備として次の6つを決めましょう。

計画書作成に必要な6点

① 昨年のひと月あたりの平均報酬総額

② 昨年のひと月あたりの処遇改善加算等の総額

③ 令和3年2月~令和3年9月の賃金の支払合計額

④ 令和4年2月~令和4年9月にベースアップとして支給する予定の合計金額

⑤ 令和4年2月~令和4年9月に一時金として支給する予定の合計金額

⑥ 具体的な賃金改善の項目と方法

文字だけではなかなか理解しにくいですよね。
ここまで読んで、この記事でお伝えしていることがちょっとわからないな・・・と思った方は、まずはこの特例交付金の概要を説明した記事を一度お読みいただければと思います。⇒【新・処遇改善加算!】福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金の概要について分かりやすく解説【障害福祉】

またはこのホームページにも障害福祉事業者向けのコンテンツやYouTubeで解説した動画を文字起こしした記事を順次UPしていきますので、よろしければ一度目を通していただけるとうれしいです。

それでは1つずつ確認しましょう。

①昨年のひと月あたりの平均報酬総額

これは、報酬額を令和3年の1月分から12月分まですべて足して12で割った数字です。
報酬額は国保連から来る障害福祉サービス費等支払決定額通知書・内訳書を見ればわかります。

② 昨年のひと月あたりの処遇改善加算等の総額

これは、処遇改善加算等の金額を令和3年1月分から12月分まですべて足して12で割った数字です。
処遇改善加算等の金額は国保連から来る障害福祉サービス費等処遇改善加算等総額のお知らせを見ればわかります。

③ 令和3年2月~令和3年9月の賃金の支払合計額

これは、令和3年2月から令和3年9月の間に従業員に対して支払った賃金をすべて足した数字です。

④ 令和4年2月~令和4年9月に ベースアップとして支給する予定の合計金額

ベースアップとはここでは、基本給を増やしたり毎月決まった金額で支給する手当等を増やす、または新たに作ることを指します。
ご存じとは思いますが、交付金の総額の3分の2以上はベースアップに充てなくてはいけません

⑤ 令和4年2月~令和4年9月に 一時金として支給する予定の合計金額

交付金のうち、ベースアップとして支給しない分は賞与等の一時金に使えます。

⑥ 具体的な賃金改善の項目と方法

基本給や手当をいくらアップするかなど、すでに就業規則や社内規定等で定めた内容を計画書に記載します。

以上6点が、事前に決めておくことです。

書類確認「処遇改善交付金 計画書」

では実際に東京都の計画書を見ながら書き方を確認しましょう。
なお、計画書の色のついた欄に記入すれば良く、他の部分は自動的に計算されます。
東京都の場合、1つのExcelファイルに交付金計画書のシートが4つありますので順番に記入していきます。

※東京都の申請様式のダウンロードはこちらから⇒ 東京都福祉保健局|書式ライブラリー|令和4年度福祉・介護職員処遇改善加算・処遇改善臨時特例交付金等


まずは1つ目のシートです。

◆sheet:【全員最初に作成】基本情報
下図のように赤枠で囲んだ部分は事業所の名称を書く部分なので、詳細は省略させていただきます。


その下の部分は交付金の対象となるサービスを選択し、サービスごとに事業所番号や指定権者を記入します。

「一月あたり障害福祉サービス等報酬総額」には事前準備の①、
その隣の「一月あたりの処遇改善加算等の総額」には事前準備の②を記入します。
すると、①・②を記入した右側にある白い部分が自動で入力されます。この金額が支給される交付金の見込額の計算の根拠になります。

 

◆sheet:【交付金】様式2-2

次に2つ目のシートです。
算定する処遇改善加算の区分を選びます。交付対象期間は原則、令和4年2月~令和4年の9月です。
「福祉・介護職員の賃金改善額」は基本的に、事前準備の④と⑤の合計額を記入すれば良く、その隣の「ベースアップ等による賃金改善額」は④の数字を記入すればOKです。

 

「その他職種」とは介護職員以外の事務職や調理スタッフ等のことです。

事前準備の④・⑤に交付金を介護職員以外に配分する分が含まれている場合、賃金改善額は分けて記入しましょう
介護職員以外に交付金を配分するかどうかは事業所の判断に任されていますので、配分しないということであれば「0」でもOKです。

交付金取得予定の部分は基本的に「〇」でOKです。もし事業所が東京都以外にもあり、法人でまとめて計画書を作成する場合は東京都以外の事業所の行は「✕」にして賃金改善額のみ金額を記入します。まとめると下記のとおりです。

「交付金取得予定」の記入について

● 交付希望する    ⇒ 「〇」

● 交付希望しない   ⇒ 「✕」

● 東京都以外の事業所 ⇒ 「✕」 ※ 賃金改善額のみ記入する

ここまでで、計画書が半分まで作成できました!

◆sheet:【交付金】様式2-1

続いて、3つ目のシートです。
まずは、前年度の賃金の総額に事前準備③の数字を記入します。
そしてその上の「交付金により賃金改善を行う場合の賃金の総額」に事前準備③に賃金改善見込み額を足した数字を記入します。
つまり事前準備③・④・⑤の合計金額を記入すればOKです。

青文字で書かれた金額は事前準備④と⑤の合計額と一致することになります。
賃金改善実施期間は令和4年2月~9月と記入します。

これらを記入し、すべてのオレンジ色の欄に「〇」と表示されれば要件を満たせているということになります
ここは超重要なので絶対に確認しましょう!

もしどこかが✕になっている場合は要件を満たせていないということなので、今一度、見直しをお願いします。

 

〇が確認できたら、この部分に事前準備⑥を記入します。
賃金改善を行うのが基本給であれば「基本給」にチェック、就業規則で今回の賃金改善を定めたのであれば「就業規則の見直し」にチェック。その下には具体的な改善の内容を記入します。就業規則等の内容を書き写せばOKです。

なお、根拠となる就業規則や社内規定等は提出しなくても良いですが、提出を求められた際にはすぐに対応できるようにしておきましょう。

最後に、下記の項目すべてにチェックできるか必ず確認して下さい。四角のところをポチポチ押していくとチェックが付けられます。
一番下には申請内容が虚偽ではないことを誓約する一文があります。こちらの日付も忘れずに記入して下さいね。


4つ目のシートは自動入力されていますので説明は省略します。

以上で計画書は完成です!

なお、東京都の場合は原則、提出フォームからの提出が必要です。フォームからの提出が難しい場合はFAXまたは郵送での提出も例外的に認められているようです。
ただし、メールや直接窓口で提出することはできませんのでご注意下さい。

また、ベースアップ等の計画をこれから作成する方は、兄の上田貴俊が社労士の観点で注意点につきお話ししていますので、そちらの記事もご覧下さい。⇒ 【社会保険労務士が語る】福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金の注意点

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