【東京都限定】居住支援特別手当を分かりやすく解説!

はじめに

令和6年6月から、東京都内の障害福祉事業者(※1)に対して、新たに東京都独自の居住支援特別手当事業がスタートしました。

東京都居住支援特別手当ポータルサイト

これは、現在多くの事業所が受け取っている処遇改善加算とは別で、

都内の障害福祉事業所で働く職員に対して

東京都が特別な手当を一人月1~2万円支給するものです。

 

この補助金ができた背景としては、東京都はこれまで、福祉・介護職員がより良い待遇を受けられるよう国に対して求めてきたものの、都内の家賃の高さなどが考慮されていない状況でした。

そこで国が制度の見直しを行うまでの間、東京都が独自で居住支援特別手当を支給するに至ったようです。

 

今回は居住支援手当について、支給要件や手続きの流れ、注意点等を解説します。

(※1)介護事業者も対象です。

 

対象事業所は?

障害福祉サービスを提供している都内の事業所

 

賃貸か持ち家かなど、居住形態に関わらず原則全ての福祉・介護職員が対象です。

また都内に住んでいなくても、都内の事業所で働いていれば対象になります。

 

対象者は?

障害福祉サービス等事業所で働く福祉・介護職員

 

◯ポイント1

常勤だけでなく、非常勤でも週20時間以上(または月80時間以上)勤務する方であれば対象です。

◯ポイント2

賃貸か持ち家かなど、居住形態に関わらず原則全ての福祉・介護職員が対象です。

また都内に住んでいなくても、都内の事業所で働いていれば対象になります。

◯ポイント3

役員でも、週20時間以上(または月80時間以上)現場でサービス提供をしている場合は支給対象になります。

※役員には法人代表者も含みます。

 

具体的な支給額は?

次の2パターンがあります。

 

① 同一法人内の勤続年数が1~5年目までの職員:月額2万円(一人あたり)

② 役員・同一法人内の勤続年数が6年目以上の職員:月額1万円(一人あたり)

 

◯ポイント1

勤続年数は最初に給与支給があった月を初月として数えます

例えば、1月の勤務分を2月に支給するような翌月払いの事業所の場合、

令和5年12月に入社した方の初月は令和6年1月です。

そこから5年目(60ヶ月目)までは月額2万円の手当、6年目(61ヶ月目)からは月額1万円の手当になります。

 

◯ポイント2

役員は勤続5年未満であっても月額2万円にはなりません。ご注意ください。

 

手続きの流れは?

大まかな流れは次のとおりです。

 

① 給与規程の改定: 手当を創設し、就業規則や給与規程等に記載、労基署への届け出が必要です。

② 補助金の申請: 改定した給与規程を添付して東京都に補助金を申請します。

③ 手当の支給: 補助金はその年度の手当支給予定に基づいて申請し、審査後に概算前払いが行われます。

④ 実績報告と精算: 翌年度に実績報告を提出し、余った金額を返金します

 

◯ポイント1

支給する手当の名称は必ず「居住支援特別手当」としなければなりません。

また就業規則や給与規程等には、この補助金の支給要件に沿った手当だと分かるように記載が必要です。

 

就業規則や給与規程には以下を参考に記載ください。

【記載例】

第○条(居住支援特別手当)

「東京都障害福祉サービス等職員居住支援特別手当事業補助金交付要綱」の運用に準拠し支給するものとする。

この手当の支給は「東京都障害福祉サービス等職員居住支援特別手当事業補助金」の交付対象となる期間とする。

2.この手当の支給額は次による。

一、「東京都障害福祉サービス等職員居住支援特別手当事業補助金交付要綱」第7条第4項(1)に当たる支給額 10,000円
二、第7条第4項(2)に当たる加算額 10,000円

   (東京都資料:申請の手引きより引用)

 

◯ポイント2

申請書の書式に支給対象の職員の情報などを入力すると、手当の支給予定額が自動計算されます。

これにに基づいて申請し支給が決定すると、

支給予定額+その金額の15%(社会保険料の事業者負担分相当)が前払いで事業者へ支払われます。

 

例えば支給決定額が100万円の場合、115万円が前払いで事業者へ支払われるということです。

対象の職員には事業者が毎月のお給料として支給しましょう。

 

その後、実際の手当の支給額が確定したら、翌年度に実績報告を提出し

余った金額の返金が必要になるようです。

 

申請期間は?

令和6年6月17日から12月27日まで

 

◯ポイント1

事業者へ補助金が支払われるまでは、申請からだいたい2ヶ月くらいかかるようです。

※審査期間はあくまでも目安です。

 

◯ポイント2

支給期間中に入退社等によって対象の職員が変わった場合、令和7年1月に追加申請の機会が予定されているようです。

詳細はまだ明らかにされていませんので、追加の発表がありましたらこの記事に追記します。

 

注意点

① 既存の手当にあてることは認められず、新たに「居住支援特別手当」として支給する必要があります

 

② 補助金の申請は、令和6年4月分から遡及して申請することができます

  東京都が申請パターンを4つ例示していますので、自社に適したタイミングで申請していただければと思います

 

  (東京都資料:申請の手引きより引用)

 

さいごに

いかがでしたでしょうか。

事業所の貴重な人材の流出を防ぐという意味でも、ぜひ補助金を有効活用していただければと思います。

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